一回落ち着いていこう

考える類人猿。ときおり牙を剥く。

保護猫をダシにpolcaをすることのモヤモヤについて

借金ブロガーという肩書きでTwitterやブログでなんやかんやしている人が「サビ柄の可愛い可愛い子猫を保護したので、成長日記をTwitterやインスタで発信していくためにも支援をしてほしい」という名目でpolcaを実施し、支援金を集めている件が炎上している。どのくらいのレベルまで広がったら炎上っていうのかわからんけど、本人が炎上って言ってるから炎上してるんだろう。

 

Twitterでは、猫ちゃんの写真や動画がアップされている。

なんと愛らしい猫ちゃんか。

この子が幸せな生涯を送ることを心から願うばかりである。

 

私は猫が好きだ。

猫を飼っていないのに「ねこのきもち」をかれこれ3年くらい愛読しており、いつか猫を飼う日のために備えている。

猫を家族に迎える時は、保護施設から引き取ろうというのも決めている。

 

今の私は、お金が余っているわけではないが、お金に困っているという状態でもない。

なので、今でも猫を飼おうと思えば飼うことはできそうだが、飼わない理由は二つある。

一つは住宅事情により猫を飼えないこと、それからもう一つは自分の仕事の都合で長時間家を開けることがあり、猫を不憫な状態にさせたくないということだ。

 

なので、今の私の猫との関わり方は、地元にある保護猫カフェで「来店」という形で支援をしたり、仕事で稼いだお金の一部を保護施設に寄付することで、身近な猫たちの幸せに少しでも貢献しようとしている。

ネットで募金をすることもある。

 

だけど、今回のこのpolcaにはビタ一文たりとも支援する気になれない。

なんでこんなにモヤモヤするんだろうと思い、頭の中を整理するためにこれを書いている。

 

■飼うことへの覚悟や責任感が見えないからモヤモヤする

当たり前のことなのだが、まっとうな考えを持って動物を飼う人は、

日々の餌代・医療費・その他様々なコストを自分たちで捻出し、そして最期まで看取る覚悟を持って飼っている。

ほとんどの人は「動物を飼うために必要な費用を第三者から募る」ということはせずに飼っている。

自力で飼える状態をちゃんと作ることが、飼い主が果たす責任だと思っているからだ。

 

成長日記をTwitterやインスタで発信していくためにもご支援を受け付けております!

引用元:件のpolca(https://polca.jp/projects/Dk1mfVWLAgC

 

この大義名分もよく分からない。別に支援金なくてもTwitterやインスタに発信するなんか、なんぼでもできるやん。

 

このブロガーさんは、polcaをやらなくても猫を飼える状態であるような主張をしているわけでありますが、だったら最初から「保護猫」をダシにpolcaをしなければいい話なんだよね。

 

「僕のファンの人は、僕の活動を支援するためにお金をください!」そう言って集めればよかったんじゃないのかなーって思うわけですよ。

ただそれよりも「保護猫のために」ってする方が寄付する側の動機が強くなるのは明白です。

だから、わざわざ保護猫をネタにしたんだろうなっていう「仕掛ける側の狙い」が見えてモヤモヤするわけです。

 

■炎上って(長い目で見て)良いことないよね

あと、こういう界隈の人って炎上するとすぐ「全員から好かれようとしなくても、自分を支えてくれる人を大切にすればいい」とか「批判なんてごく一部だからそんなものはサクサクブロックして生産性上げていきましょ!」とか「PV伸びて収益も上がってるから結果的にOK」みたいなこと言うけど、アンチじゃなくて「不特定多数の人」に不快感を与えてるから炎上してるっていうことを、省みたりするんでしょうかね?


こういう人たちって、自分を切り売りして発信力を身につけてお金を稼いでいますよね。

 例えば、今よりもっとスケールさせていこうと思うと、大きな組織と仕事をしたり、大勢の人に好かれている状態じゃないと成立しなくなります。

絶対ないけど(向こうも来ないだろうけど)、いろんな角度から総合的に判断して、私はビジネスとしてこの借金ブロガーをゲストに呼ぼうとは思わない。

ほとぼりが冷めた後も、名前見て「あっこの人…」って思ったら、別の「旬な、いい人」にオファーをする。

現状の人気の範囲でやっていくなら、全然いいんだろうけど、メリットよりもリスクの方が膨らんでいくと思うんです。

 

■間違った保護の手段が広まってほしくない

最後に、今回のような「手法」を真似して安易に猫を保護し、猫を育てるためのお金を他力でなんとかしようとするような無責任な飼い主が出ないように祈るばかりです。

保護数を最大化するために「継続的に猫を保護し支援を募ること」と、個人の手の届く範囲で家族に迎え入れる「保護」は別物だと思います。

借金ブロガーさんは後者を選択されたのだと思うので、自力で育てることはとても尊いことだと思うし、polcaなんかせずに保護猫との日々を発信すれば、それだけでたくさんの支持を得られたんじゃないかと思います。残念だ。

 

ま、大きなお世話だと思うけど。

面接で自分のことを上手く伝えられなかった人のはなし

「それではあなたの長所と短所を聞かせてください」

 

目の前の面接官にそう言われて、彼は石のように固まってしまった。

何も考えていなかったわけではない。彼の中には「この質問が来たら、こう答えよう」と準備してきているものがあった。

だが、極度の緊張でその「準備してきた答え」が出てこないのだ。

 

「私の長所と短所ですが…」震える声で、なんとか言葉を紡ぐ。

「まず長所は、好奇心旺盛なところです。理由としましては…」

そこから先は何を言ったのか覚えていない。

 

話の途中で、二人いる面接官のうちの一人が「大丈夫ですよ、落ち着いて話してくださいね」と笑いながら言葉をかけてくれた。

彼は一度小さく息を吐いて、思いつくままに一気に喋った。

 

ようやく言い終えた彼の回答の内容には一切興味を示さず、面接官は淡々と次の質問に移る。

面接はまだ終わっていなかったが、「ああ、この面接は“終わった”な」ということだけは彼にもよく分かった。

 

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